認知症のばあちゃんと暮らすようになり、58歳で介護を経験することになったトメ子です。
介護をする中で、つくづく感じたのは——「情報って、本当に大事」ということ。
手続きや制度のことも、誰かに聞かないと分からないし、心のしんどさだって、口に出さないと整理できないことがたくさんあります。
今回は、私が明石市社会福祉協議会が運営する“あった会”に2回訪問した体験を通して、
制度の話だけじゃなく、「話せる場所があることのありがたさ」についても、書いてみようと思います。
親の介護の愚痴も、弱音も吐いていい場所は
今回参加した「あった会」には、市の福祉課のHさん、シルバーサポートのSさん、そしてすみれ園のケアマネージャーJさんをはじめ、さまざまな立場のサポートメンバーの方が来られていました。
皆さん、私たち家族の話に耳を傾け、どんな小さなつぶやきにも真剣に向き合ってくれて——
その姿に、私は思わずホッと肩の力が抜けました。
あった会の参加|きっかけは、ばあちゃんの介護だった
今回、あった会の参加は2回目です。
最初に訪れたのは今年の3月。
母のケアマネさんが、「トメちゃん、ブログを書いてるんだったら“認知症家族会”に行ってみたら?」と声をかけてくれたのがきっかけでした。
そのときの私は、正直ドキドキ。

急に行って大丈夫なのかな、場違いなことを言ってしまったらどうしよう#
そんな不安を抱えながら、会場のドアを開けました。
でも——

「うん、うん」「分かるよ」と、ただ、そばに居てくれる人たちでした。
その安心感の中で初めて知ったのが、オレンジサポートという取り組み。
明石市では、認知症の理解を深めるための「オレンジサポーター講習会」が開かれていて、
なんと、誰でも無料で受けられるということを教えてもらいました。
ばあちゃんの本来のわがままな性格についていけなくなった頃
最初の頃は慣れない生活の中で、私もばあちゃんも手探りでした。
一年が経って、生活が安定するにつれて、ばあちゃん本来の“わがまま”な一面が戻ってきて——
正直、私はその変化に追いつけなくなっていました。
排泄のトラブルが増えてきた頃には、もう心が折れそうで。

限界かもしれない!
と感じ始めていたんです。
👉詳しくはこちらの記事で書いています:【自宅介護の限界サインは排泄トラブル?】
今、ばあちゃんはロングのショートステイを経て、施設入所に向けた準備が少しずつ進んでいます。
実際にどんな手続きをして、どんなことを考えたのか——
この辺りの詳細については、別記事でまとめて後日ご紹介する予定です。
「在宅介護から施設入所へ」のリアルを、私なりの視点で書いていきたいと思っています。
あった会の最初の訪問から、3ヶ月が過ぎていた
あった会に初めて参加してから、もう3ヶ月が経っていました。
母のことで来ていたケアマネさんに、ふと聞かれたんです。

トメちゃん、あれから“あった会”、行った?

行こうと思いながら、色々あって…行ってないですね
と答えながら、自分の中に、少しだけ“ひっかかり”のようなものを感じていました。

久しぶりに、行ってみようかな
「今度は何か、私にも手伝えることがあるかもしれない」
そんなふうに思って足を運んだ“あった会”でしたが——
実はその時の私は、まだ誰かに話を聞いてもらうことが必要な状態だったんです。
自分では気づいていなかったけれど、介護って、知らないうちに心が疲れていくものなんですよね。
どんな事でも、待ってるだけじゃダメ|介護保険限度額申請書
再び、認知症家族の会”あった会”に行くことにしました。
前に会った方々の顔が見えて、ホッとする気持ちが湧いた一方で、

私は、またここに来ていいんだろうか
そんなふうに、どこかで自分に問いかけている私もいました。
市の職員さんHさんに会釈をすると、すみれ園のケアマネさんの前の椅子を薦めてくれました。
新たな人との出会い|次の一歩
すみれ園のケアマネさんが、

と明るい笑顔で迎えてくれました。
その隣には、前回お話ししてくれた介護の先輩たちの姿もあって、なんだか、それだけで少し安心しました。
「あれから、どうされました?」と聞いてくれて、
私は自然と口を開いていました。
「今、ばあちゃん、ショートステイに預かってもらってて…」
「施設入所に向けて動いてるところです」
介護の制度があっても知らない事って結構多い
すると、すみれ園のケアマネさんがこんな話をしてくれました。

介護2から介護3に上がると、特別養護老人ホーム(特養)が使えるようになりますからね
「ばあちゃんの所得(年金)によっては、部屋代や食費なんかも軽減されますよ」
そして、もう一言——
「ところで、“介護保険の限度額認定申請”受けられましたか?」
「あっ、それ……」
朝、ばあちゃんのケアマネさんからも、確かにその名前を聞いたばかりでした。
でも正直、ちゃんと分かってなかったんです。

そういえば、言ってたけど……それって、何のことですか?
忘れる前に、即行動
会が終わって帰る道すがら、私は市役所に向かう信号の前に立っていました。
明石市役所の窓口は13:00〜17:40。
時計を見ると、今は14:30——「まだ、大丈夫」。
すぐにスマホを取り出して、ばあちゃんのケアマネさんに電話をかけました。

介護保険の限度額認定申請書、今から市役所で申請してきます
するとその声の向こうで、ケアマネさんが少し迷いながらも、こう教えてくれました。
「ばあちゃんが利用してる、こちらの小規模多機能型施設では、長期の預かりを前提としていないので、この制度を利用できないんです」

あ、それで(納得)
最初の計画では、ショートステイで何度かお泊まりを経験しながら、在宅の限界まで頑張ってグループホームや特養(特別養護老人ホーム)に移っていく予定でした。
ばあちゃんが安心してステップを踏めれるように、小規模多機能型施設を選んだけど、思ったようには行きませんね。(笑)
だから今は、焦って取りに行く必要はないんだけど、

それでも、いずれ必要になるなら、今のうちにやっておこう
そんな気持ちで、市役所の福祉課の窓口へ。

すみません、ばあちゃんの介護保険限度額認定申請をしたいんです
明石市では、本人の生年月日・住所・預貯金残高がわかれば申請が可能で、身分証や委任状は不要でした。
(※市町村によっては必要な場合もあるので、事前に確認を)
まとめ
手続きはスムーズに終わり、申請から約2週間ほどで通知が届く予定です。
介護保険制度は、2000年から始まった仕組みですが、実際に活用するには、“知識”と“動くこと”が必要です。

私は、
自分で情報を取りに行き、
分からないことは人に聞き、
そして、即、動く。
介護は日々変化していきます。
ばあちゃんとの暮らしも、そのたびに形を変えていきます。
誰かが代わりにやってくれるのを待っていたら、何も始まらない。

便利な制度だからこそ、うまく活用できる“自分”でいたい。
認知症家族の会は、“あった会”以外にも、各地にいくつかあります。
そうした場所に行くだけで、介護の負担が少し軽くなったり、必要な制度や支援の情報が手に入ったりすることがあります。
だからどうか、一人で抱え込まずに。
最初の一歩を踏み出してもらえたら——私は心から、そう願っています。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
三段腹トメ子