気が付けば、親は80歳を超えて介護保険を使うようになっていました。
認知症の義母(ばあちゃん)と1年間一緒に暮らして、認知症の排泄トラブルも経験しました。
お医者さんに「ばあちゃんの行動は認知症の方のよくある行動ですよ」と言われても
「そんな事、わかってる。そんな事より、私の事は誰がフォローしてくれるの」と思った事もありましたっけ!
今、主人や実母が認知症になったとしても、できるだけ長く一緒に暮らせるように。
おむつ外し対策を、わかりやすく、まとめました。
最後に紹介する、おむつ外しの新たな選択、『うさぎ屋の介護インナー”白寿”』は、まるで下着のようで、介護される方も、介護する側にも優しい設計になっています。
なぜ認知症の人はおむつを外してしまうのか?
「コンチネンタルケア」という言葉知っていますか?
認知症の義母(ばあちゃん)が、おむつを嫌がるたびに「どうして、そこまで嫌がるのか」と戸惑い、悩んでいました。
でも、“ばあちゃんの立場で考えてみよう”と調べていくうちに、
実は、排泄そのものについて、私達が気づいてない事が【ナッピー先生とまなぶ 大人のおむつ読本】の中にありました。
排泄は「恥ずかしい」「隠したい」──その感情の根っこにあるもの
【ナッピー先生とまなぶ 大人のおむつ読本】の冒頭、「プロローグ・立ち読み」の漫画の中で、ナッピー先生はこう問いかけます。
「排泄についての情報が、極端に少ない。なぜじゃ?」
その言葉に、ハッとしました。
思い返せば子供の頃、学校のトイレは恐怖でした。
男の子に、「トメ子、トイレで糞してるーぞ」と言われたらどうしよー。
そんなふうに、排泄=恥ずかしいこと、隠したいことという感覚は、私たちの中にいつの間にか根付いてしまっているんですね。
おむつを外すのには、本人なりの“理由”がありました
認知症の方がおむつやパッドを外してしまう背景には、いくつかの心理的・身体的な要因が重なっていることがあります。
日刊介護新聞byいい介護を参照
- おむつやパッドを付けていること自体が恥ずかしい
→「人に見られたらどうしよう」という不安がある - なぜ自分がおむつをしているのか分からない
→ 認知の低下により、状況が理解できず“外すべきもの”と捉えてしまう - 違和感がある、気になって仕方ない
→ ゴワゴワする、蒸れる、落ち着かないなどの感覚的な不快さ - 濡れていて気持ち悪い
→ 「出たこと」に自覚がなくても、不快な感覚だけは残っている - 肌がかぶれてかゆい、痛い
→ 自分で取ろうとして外してしまう行動につながる
おむつを外してしまう行動には、“本人なりの理由”があって
決して「わがまま」でも「わざと」でもない。
本人なりの不快や不安が、形になって表れているだけなんだと、私自身、少しずつ理解できるようになってきました。
おむつ外しの困りごとに、役立つ3つのアイテム
義母(ばあちゃん)や、認知症の人達の気持ちは少しずつわかってきました。
だけど、
- 根気強く説得してみてください
- 排泄パターンを把握してトイレに誘導を
- できれば布パンツに戻してみましょう
……って言われても、現実はそんなに甘くない。
少し抵抗があったとしても、おむつ外し対策グッズを知っておく事は介護する人も、される側にも大切な事です。
「パジャマつなぎ」とか、やっぱり抵抗がある
※「身体拘束ゼロへの手引き」(平成13年3月 厚生労働省「身体拘束ゼロ作戦推進会議」)には、身体拘束・行動制限禁止の対象となる身体的行為が11項目、明確に記されています。
その中の一つに、こう書かれています。
⑧ 脱衣やおむつはずしを制限するために、介護衣(つなぎ服)を着せる。
…そう、つまり「パジャマつなぎ」や「ミトン」を使うこと自体が、原則として“身体拘束”にあたるとされているのです。

そりゃあ、
自分の親に対して、そんなものを使いたいなんて思う人、いないですよね。
だけど、
認知症の義母(ばあちゃん)におむつの必要性を説いても、本人が嫌がるものを受け入れさせるのは容易じゃないし、まして、その事実を忘れてしまう。
下手に、強く言うと、「嫌なことされた」って感情だけが残って、その後の介護も難しくなる。

義姉は、黙って汚れたパンツを洗い続けてたそうです。
それから「排泄パターンを把握して、トイレ誘導を」なんてアドバイスもよく見るけど、そんなに都合よく、“出るタイミング”が読めるわけじゃない。
だってこっちは、介護なんて初めての素人ですよ。プロのように動けるはずがないじゃないですか。
介護施設の方から、こんな話も聞きました。
「おむつを引きちぎられて、部屋中に吸収ポリマーの残骸が飛び散って……。
片付けに4時間かかりました。」
……もう、考えただけで、頭がおかしくなりそうです。
自分を守るために介助補助アイテムの存在を知ろう
介護用ミトン|おむつを外してしまう行動を防ぐための“手の保護”
「かわいそう」と思うかもしれませんが、認知症の方が、おむつをはがしてしまったり、点滴やチューブを抜いてしまうのを防ぐことが出来て、実際、ミトンをつけたことで本人が落ち着いたというケースもあります。
夜間だけの使用や、本人が不快に感じにくい柔らかい素材を選ぶなど、“一時的に取り入れる”という使い方もアリだと思います。
使い方の例
- 夜間の就寝時に一時的に使用する
- 手指を保護し、かきむしりや引っかき防止にも使われる
- 医療現場では点滴を抜かないようにする目的でも使われている
注意点
- 長時間の使用は血行や皮膚状態への影響が出る可能性あり
- 拘束に近いと捉えられるため、家族やケアチームでの同意・観察が前提
- 医療的管理下での使用が原則とされている施設もある
パジャマつなぎ|認知症の方が勝手に脱いでしまうのを防ぐ
「着替えさせるのが大変そう…」
「まるで拘束服を着せているみたいで、心苦しい…」
そう思われるのは、当然の感情だと思います。
私も、最初に見たときはまさにそう感じました。
でも、実は着ている本人にとっても「自分で脱ごうとして失敗する不安」が減ることで、落ち着いて過ごせるようになったという声もあるんです。
“脱いでしまう → 失禁する → 着替えさせられる”という繰り返しは、本人にとってもストレスになります。
それを防ぐことで、安心して過ごせる時間が増えるという効果もあるのです。
使い方の例
- 夜間や目の届かない時間帯に着用
- 介護者がトイレ誘導・オムツ交換のタイミングをコントロールできる
- 外から見たら普通のパジャマに見えるデザインもあり、抵抗感が少ないものも
注意点
- 着脱に時間がかかることがあるため、急な対応が難しい場合も
- 本人の混乱や不安が強まる場合には、無理に使わず様子を見ながら導入を検討する
- 素材や季節に合ったものを選び、肌への負担を減らすことも大切
※使用を検討される際は、ケアマネージャーさんや医療スタッフと相談し、本人の状態や環境に合った方法を選んでください。
見た目は普通の下着|うさぎ屋の介護用下着
おむつ外し対策の記事を書いてて、他にも何かあればと検索していると『着る人にもやさしく、介護にもやさしい介護用下着”白寿”のサイトを見つけました。
✅ 構造のポイント
- 背面にあるマジックテープが、着用者の体重で自然に圧着される仕組み
- おむつを外す・便を触ってしまう等の行動を、無理なく防いでくれる
知り合いの看護師さんにこのインナーの話をしたところ、こんなやりとりがありました。

Aさんって、いつも身なりをきちんとしてるダンディな人でね。
パジャマつなぎを着せられるのが“死ぬほど嫌”なんよ
「でも、これ(白寿インナー)なら普通の下着っぽく見えるから、本人も嫌がらずに使えるかも。一度検討してみるね」
と、言った後に

気になるのは耐久性かな。毎日洗濯して、どこまで持つか
確かに、介護の現場では“洗濯に強いかどうか”は重要ですよね。
公式サイトに掲載されているレビューをチェックしてみました
🌟 評価は全体的に高め(⭐️5が多い)
みなさん「洗い替えに2枚目も購入したい」といった声が多く、リピート率が高い印象でした。
ただ、良い面だけでなく、いくつか気になった点もありました。
- 「洗濯を重ねると伸縮性が落ちてくるので、大きめサイズを選ぶと良さそうです」
- 「着せ方が甘かったせいか、太ももから手を入れられて便をいじってしまった」
つまり、「完璧」ではないけれど、丁寧に扱えば有効な選択肢になりうるというのが、リアルな声です。
この記事の終わりに──まずは、1枚試してみては?
使うかどうかは、本人の性格や介護する側の状況にもよると思います。
でも、「2枚目が欲しくなるくらいよかった」という声も多かったので…
まずは1枚、お試しで使ってみるのもアリだと思います。
※ご使用を検討される際は、ケアマネージャーさんや医療スタッフと相談し、本人の状態や環境に合う方法を選んでくださいね。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
三段腹トメ子