私は、認知症のばあちゃんと一緒に暮らすと決めたとき、心に決めていたことがあります。

介護は、ひとりではできない。だから、頼れるものは全部、頼っていこう。
実際に暮らし始めてみて、本当にその通りだと感じています。
病院に行くとき、ケアマネさんに会うとき、ご近所さんに声をかけるとき——
小さな「頼る」が積み重なって、介護の負担はぐっと軽くなるものです。
このページでは、私・トメ子が実際に試して「これは助かった!」と思えた**“頼り方のコツ”**をまとめました。
「どこに、どう頼ればいいのか分からない」そんなあなたのヒントになれば嬉しいです。
頼りたくても、どう頼っていいか!わからない方へ
最近は、ばあちゃんを病院に連れて行くことや、ケアマネさんに相談することが増えてきました。
第三者に頼る場面が増える中で、

「誰に、どこまで頼っていいのか」を知っておくことが、
介護ではとても大切だということに気づきことが出来ました。
頼ること自体に戸惑う人も多いと思います。
でも、正しく伝えること・頼み方を知ることで、グッとラクになる場面が増えるんです。
まずは、病院に行くときの頼り方から….
病院に頼る (〜判断に迷ったとき、どこまで話していい?〜)
病院とは、何をしてもらえるところだと思いますか?
診察してもらう場所? 薬をもらうところ?
もちろん、それも正解です。
でも、介護の現場で病院に行くというのは、『今の状態を“見立ててもらう場所』でもあると、私は思っています。
その“見立て”が正確になるように、家族が伝えるべきことを準備しておくことが大切です。
そこで私・トメ子が、実際にやっている「病院に行くときの5つのメモ」を紹介します。
① 今飲んでいる薬の情報
・残っている薬の個数(その病院から処方されているもの)
・お薬手帳(できれば最新版)も一緒に持参
② 現在のばあちゃんの様子
例:「朝から便が出ていない」「ご飯は食べたけど元気がない」
👉 日常の中の“ちょっとした異変”でも、立派な情報です
③ 今、医師に何をお願いしたいか
例:「便が出るように対処してもらいたい」「薬の調整が必要か見てほしい」など
👉 “お願いベース”で伝えると受け止められやすくなります
④ 以前と比べて変わったこと/困っていないか
例:「1か月前は夜も寝ていたのに、今は毎晩2〜3回起きてしまう」
👉 変化が分かると、医師も判断しやすくなります
⑤ 診察後にどうすればいいか確認したいこと
例:「次の受診の目安」「急変時の対応」「家でできること」など
👉 聞き忘れがないよう、あらかじめメモしておくと安心です
ケアマネさんと会う前に押さえておきたい3つの事

介護が始まった時、まず最初に頼りになるのが、ケアマネさんの存在です。
私にとってケアマネさんは、まるで**介護の“万屋(よろずや)さん”**のような存在でした。
介護保険の仕組み、使えるサービス、申請の流れ……
よく分からないことも、「まずはケアマネさんに聞いてみれば、何かヒントがもらえる」
そんなふうに、私は思っています。
でも、いざ相談するとなると「何をどう話せばいいのか分からない」と感じる人も多いはず。
そこでここでは、私が実際にケアマネさんと会う前に気をつけていた3つのことをご紹介します。
①「今の生活で困っていること」を具体的に話せるようにしておく
例:「入浴の声かけを嫌がる」「夜中にトイレに何度も起きる」など
👉 制度の名前じゃなく、“日常の中の困りごと”でOK
②「本人がどう感じているか」も伝える
例:当日本人は“何も困ってない”と言うこよが多いので、普段の様子「いつも、背中が痛いと言ってる」などをメモしておくと伝えやすい
👉 本人の気持ちも“状況の一部”として伝えると理解が深まります
③「自分(家族)が今どこまで介護できるか」も正直に話す
例:「昼間は仕事で家にいない」「自分も腰痛があって介助が難しい」など
そしてできれば、家族で“ばあちゃんとどう暮らしていきたいか”を話し合っておくこと。
たとえば──
「できるだけ在宅で見守りながら暮らしていきたい」
「お風呂や排泄だけは外部にお願いしたい」
そんな希望があるだけでも、ケアマネさんは今後の介護プランを具体的に組みやすくなります。
近所や地域に頼る 〜“迷惑”じゃなく“つながり”だった〜

普段から、つながりを持っておくことが大事ですね。
ゴミ出しの時の挨拶や、他の高齢者の方への一言、まずは自分が先に動くことで、なにかあった時に助けてもらえたりします。
その上で、トメ子が地域とつながる中で気をつけている3つのことをご紹介します。
① 小さなお願いから始める
頼るって、いきなり大きなことをお願いする必要はないんです。
たとえば、こんなふうに軽く伝えるだけでも十分。
- 「最近、おばあちゃんを引き取って、ちょっと認知症があるので迷惑をかけるかも知れませんが、その時はよろしくお願いします」
- 「一緒に住むことになった義母です。もし見かけたら、声かけてやってくださいね」
こういった**“ほんの少しのお願い”が、助け合いのきっかけになります。**
「あのとき声かけてくれた方だ」と思ってもらえるだけで、いざという時に手が差し伸べられる関係ができていくんです。
② お礼は“感謝の気持ち”で十分伝わる

お礼は、お菓子やお金じゃなくても大丈夫。
- 「いつも見てくださって助かってます」
- 「本当に心強いです」
そんな一言やメモ、笑顔の挨拶だけでも十分。
気持ちが伝われば、地域の関係は自然に続いていきます。
③「こんな人がいます」と一言伝えておく
①で紹介した「軽くお願いしておく」にも通じますが、もう少し踏み込んで、“見守ってもらう関係”を意識して作っておくことが大切です。
たとえば、
- 「ばあちゃんは、主人の母です。今度、一緒に暮らし始めました」
- 「最近、父が亡くなってお母さんが1人で暮らしています」
こうしたひと言が、近所の方の“気づき”につながります。
実際、私の地域でも高齢者の見守り支援の一環として、緊急連絡先を登録しておく制度があります
一人で抱え込まず、「うちはこういう状況で…」と、先に伝えておくことが安心につながるんです。
まとめ|“ひとりでやる介護”には限界がある
最後にもう一度、お伝えしたいことがあります。
介護が始まったとき、頼りになるのは、何も特別な専門家ばかりではありません。
地域の中で、見守りボランティアをしていたり、何かあったときに気づいてくれる人たちが、実はそばにたくさんいるんです。
たとえば──
- デイサービスの送迎スタッフさん
- 民生委員さん
- 町内会や自治会の福祉担当
- ご近所で「何かあったら声かけてね」と言ってくれた人
- スーパーや薬局で顔な
“身近すぎて、見落としがちな人たち”こそ、いざという時に本当に頼りになる存在です。
だからこそ、普段から──

お向かいさんに「ちょっと見守ってもらえると助かります」と声をかける。
そんな“小さなつながり”を積み重ねておくことが、
将来の「助かった」にきっとつながります。
ひとりでやる介護には限界があります。
でも、頼れる人と、頼り方を知っていれば、
「なんとかなるかもしれない」と思える日が、きっと増えていきます。
どうか、あなたも。
ひとりで抱え込まず、「頼る」ことを、選んでみてくださいね。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
三段腹トメ子
