認知症サポータ養成講座について記事を書くこと3回目です。
この記事では、兵庫県明石市の認知症施策をもとに、私自身の気づきと学びをまとめています。
前回の記事【親の介護が始まる前に、知っていきたい「オレンジの学び」】 、【「親の介護がしんどい」と言える場所】 では、義母(ばあちゃん)との同居が始まったばかりの頃で考えがまとまっていませんでした。
改めて、明石市の認知症施策と私の気づきをまとめましたので、これからの暮らしにお役立ち頂けたら嬉しいです。
全国の認知症施策の取り組みが気になる方は、厚生労働省のこちらのページから
本当ところ「認知症について」わかってなかった
義母(ばあちゃん)と暮らす前は、「認知症」という言葉自体は知っていましたが、正直なところ“病気なんだ”ということまでは理解していませんでした。
義母の様子から気づいたこと
あれほど病院に行く前は、

ばあちゃんは、どっこも悪くない!
「なんで、こんな所に連れてくるんだ」
と頑なに病院に行くのを、拒んでいたのに、
いざ、自分の名前を呼ばれたら、すんなり、検査室に入って行きました。
先生から「アルツハイマー型認知症です」と診断されたときには、「ああ、やっぱり…」という表情をして、病院を出るまで落ち込んでいたけれど、
帰りにお寿司を食べて車に乗り込む時には、

ここのお寿司、美味しいなぁ
すっきりした顔で、病院に行ったことも忘れていました。
MRI画像で見えた“病気としての認知症”
正直、病院でばあちゃんのMRI画像を見せられても、

なんだか梅干しみたいだな
と思っただけでした。
画像を見ても、ばあちゃんの脳の中で何が起きているのかまでは理解できません。
さらに先生からは、

ここまで病気が進むと、認知症の進行を遅らせる薬も効果がありません
実は、その時、認知症の進行を抑える薬を処方されましたが、かえって不安感が強くなり、生活に支障が出てしまったんです。
後から先生に聞いたところ、「認知症の薬の中には、脳を活性化させる成分が入っているため、重度の状態にある人には逆効果になることもある」とのことでした。
ばあちゃんには、そのお薬が合わなかったみたいです。
最終的には、精神を安定させるお薬と、何より「時間」と「環境」が、ばあちゃんの気持ちを落ち着かせてくれた気がします。
政府広報に学ぶ認知症の基本
ここからは、公的サイトである政府広報オンライン「知っておきたい認知症の基本」を参考に、認知症の初期に見られるサインを紹介します。
例えば――
こうした変化は「年のせい」ではなく、認知症の初期症状かもしれません。
早くに気づいて、相談することが大切だと政府広報でも伝えられています。
明石市|私が学んだ福祉ボランティアは
認知症が早期発見、早期治療が大切なことはわかりました。
義母(ばあちゃん)の場合、本人や周りの人がもっと早くに認知症について正しく理解していれば、もう少し違う形で向き合えていたのかもしれません
誤解や知識不足があると、介護する側もされる側も、つらい時間を過ごすことになる事も
だからこそ、知識として知っておくことは、誰にとっても意味があると実感しています。
明石市の認知症対策「シルバー」とは
ここからは、「治療できる認知症」公益財団法人「健康長寿ネット」のサイトを参考しながら、どうして私が「オレンジサポーター養成講座」を皆んなが受けた方が良いと思う理由をお伝えします。
まず、治らないと思っていた認知症ですが、「治療が可能なタイプ」や「改善が見込めるタイプ」もあると書かれています。
詳しく知りたい方は、こちら公益財団法人「健康長寿ネット」の【治療可能な認知症について】のページをご覧ください。https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/ninchishou/chiryo.html
ばあちゃんと一緒に暮らしていた姉でしたが、認知症の進行と共に一緒に暮らすことが出来なくなり、代わりに私が介護を引き継義ました。
それから、半年ほどたったタイミングで「オレンジサポーター養成講座」を受講しました。
少しでも

ばあちゃんの事を知りたくて、オレンジサポータ養成講座を受けました
前回の講座体験はこちら
この講座では、以下のような内容を学びました。
講座を通して、「特別なことではなく、知っておくだけでも支えになる」そんな学びがたくさんありました。
皆んなでディスカッション「もしも認知症になったら」
オレンジの学びから、シルバーへ。
オレンジサポーター養成講座は、地域の中に「認知症について知っている人」が増えることが、結果、誰もが安心して暮らせる街になっていく。
そういう目的で作られたんじゃないのかと、講義を聞いて思いました。
そして、「もっと深く知りたい」「地域で何かできたら」という思いを持った人たちが、さらに一歩進んで受講するのが、シルバーサポーター養成講座です。
私がこの講座で心に残ったのは、次のようなディスカッションでした。
「私達が当たり前に生活している1日が、もし認知症になったら、どんな1日になるだろう?」
起こりそうな困り事を書いて、その時の「自分の気持ち」と「家族の気持ち」を書き出しテーブル毎でディスカッションしました。
やってみて思ったのは、自分で想像することの大切さです。

ばあちゃんの場合、「認知症とはどういうものか」を知らなかったことが、結果的に姉家族の関係をこじらせてしまった一因だったのではないかと感じています。
認知症に対して必要以上に怖がってしまい、病院にも行けず、「助けて」とも言えないまま時だけが過ぎていきました。
そうしてようやく私の家に辿り着き、受診した結果、「認知症・重度」と診断されました。
認知症になったからと言って特別なことじゃない。
だけど、普通に生活するのに、ほんのちょっと工夫が必要です。
家族だけで、乗り切るには難しいから、ほんのちょっと「助けて」と言って良いんです。
明石市の認知症家族を支える「チームオレンジ」
2025年8月18日現在の情報
ここから、明石市の認知症支援の取り組みを紹介します。
私が活動してるのは、こちら
認知症家族会「あった会」は、第2金曜日13:30〜15:30、場所は主にアスピア北館8階(問い合わせ:明石市高齢者支援室078-918-5288
・早期の気づき:オレンジチェックシートによる自己診断、認知症診断費用の無償化、認知症支援へのサポート費用の助成(給付金20000円)『明石オレンジチェックシート.indd』
・認知症安心プロジェクト(認知症と家族の人を支援する様々な取り組み)
- 本人の尊厳確保
- 家族負担の軽減
- 地域の理解の促進
正しい情報は介護の負担を軽くする
ばあちゃんを引き取ったとき、民生委員の方から「認知症の基本」という冊子をいただきました。
その中に書かれていた「認知症の人との関わり方」が、私にとって大きなヒントになりました。

健康な人でも、自分の体に異変があると不安になりますよね。
「ガンかもしれない」と考えると怖いけど、「それでも病院に行こう」と思うのが普通の反応かもしれません。
でも、ばあちゃんの場合は、
「不安だから病院に行きたくない」けれど「心配だから診てもらいたい」

そんなふうに、気持ちと行動が一致しない様子でした。
姉の家ではこの対応が難しく、受診もままならなかったけれど、私の場合は、事前に知っていたことで、何とか乗り越えることができたと思っています。

今、ばあちゃんは施設で過ごしています。
最初は「行きたくない」と言っていましたが、徐々に生活にも慣れ、穏やかに過ごせる時間も増えてきました。
制度や情報を知っていることで、介護の負担は確実に軽くなります。
介護も多様化の時代|介護保険外サービスという選択
最後に
介護は制度だけでカバーできない部分も多く、「ちょっと助けて」が言いづらいのが現実です。
家族の負担を減らしながら、本人の気持ちも大切にしたい――そんなとき、介護保険外のサービスが助けになってくれることもあります。
私が最近知ったのが、「イチロウ」介護保険外サービスです。
必要なときに必要な分だけ、専門スタッフによるサポートを頼める仕組みで、「家族に頼りすぎずに支え合う」新しい介護の形だと感じました。
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