1話目は、ばーちゃんが、毎日繰り返してた「お母さん、どこ行った」「電話、あったんか?」の意味が、変わってきたよー。って話
2話目は、亡くなった弟の、本当は、自分の事を知って欲しかったのに、どう、自分を表す事のできなかった、短くても意味にある人生を、思いを代弁する形で書きました。
お母さんから電話あったんか?
毎日、ばーちゃんは「電話あったんか?」「お母さんはどこ行った?」って聞いてきます。(お母さん=ゆりえ)
最初の頃も、同じ様に「お母さん、電話あったんか?」って聞いて来てましたが、最初頃と今は意味が違って来ました。
最初の頃は、「ゆりえから、今のばーちゃんの環境を説明してほしい。娘だから、話せばわかるのに、なんで、電話の1本もないんや」って思ってたみたいです。それが今では
娘が、私に、ばーちゃんのお世話任せた事を謝ってお礼をちゃんと言えてるのか、息子達と仲良く暮らせてるのか、
もう、自分の事は迎えに来ない、しかし、安心したい気持ちで私に聞いてきます😚
最初の頃は、「電話ないよ」って返してたけど、昨日、「電話あったよ」って嘘をつきました。
掛かってきたよ。ゆりえ姉さんが、「いつも、ありがとう。ばーちゃんの事、任せてごめんね」って言ってたよ
あーよかった(ホ)電話あったんやね。
ところで、お母さんいつ帰るって言ってた?
なので「息子・・ 二人・・ 居て・だから帰るの ちょっと難しい んだって」
すると、ばーちゃんが話を作り上げって「向こうの家、2階建で息子達が居るから、ご飯、作ちゃらんとあかんから帰ってこんていってるんやな」「息子達が仕事して、お母さん食べさしてあげて、大切にされてるんやろー」
「それで、ええやんか」
そして、少し、安心したように「アイゴ、アイゴ」(笑)
注:ばーちゃん語録=アイゴ、アイゴ⇨あー、あー
弟が亡くなった
昨日、私の弟が肝硬変で血を吐いて死んじゃった。
お母さんから電話が掛かってきて「〇〇が、起きてこないからと、見にいくとベッドの中で血を吐いて、大きなイビキをしてる。どうしよう」慌てて、家に飛んで行き、救急車を呼びましたが、どうする事も出来ませんでした。
かなり前から肝硬変が進んでいた事を、誰にも言わず、静かにこの世を去りました。
⒈お父さんが亡くなって、変わっていった弟
2年前にお父さんが亡くなった時には、横に弟がいました。その弟は、今は、もう居ない。
お父さんが亡くなった時、多くの公的手続きを丁寧に片付けていく姿は、頼もしく安心して任せれる存在でした。
病院のロビーで結果を待っていた時「僕は、役たたずだから」って言ったよね。
「なんで、そんな事言うのか」ってその時は思ったけど、
その後、私とお母さん、支えてくれながら、膨大な公的手続き、一人でこなしていくあなたは、十分に頼もしかったよ。
ある日、役所から帰ってきた弟が手に持って帰って来たのは「家族のルーツ」
笑いながら
「父方の、おばあちゃんヨネさんは、おじいちゃんと結婚する前に、父の居ない息子を17歳で産んで、その後、おじいちゃんに嫁いでから、お父さんと妹を産んで、47歳で亡くなってる。結構、おばーちゃんは複雑な人生だったみたいだね(笑)」
よく、そういうの探してこれる物なんだと感心したよ。
あの時は、本気で、変わろうとしていたんだね。
中々、誰でもできる事じゃなかった事をやったんだよ。
少しずつ、自信を取り戻していく中で、病魔は弟を蝕んでいってた事、知らずに勝手な事言ってごめんね。
⒉増えていくお酒の量、病んでいく精神
『会社で何かあったのか、わからないけどお酒の量が増えて、とうとう錯乱状態になったのが数年前』
一度は、病院に入ってやり直そうとしたのに、
会社の人達には通じなかった。
辞めてからは、また、お酒の量が増える。
誠実に、ただ会社を良くしようと動いた事が裏目に出て、追い込まれ、強すぎる正義感で自分を追い込んだ弟に何も出来なかった。
「何も、そんなに思い込む必要はなかったんや。自分で、そこまでやってダメだったんやったら、それで良いやんか」って言ってあげたかった。
仕事辞めた時、そんな状態だったこと知らなかったから、私の職場での仕事を紹介したけど
あの時、もっともっと、話を聞いて、他の道、強く勧めることできなかったんだろうか
もっと、背中押してあげたかったけど、壁作って、開かない扉をこじ開けてあげるほど、私も強くなかったよ。
やり直そうと、何度も踠いては、出来ない自分に落ち込んで。バカだよ。
十分、頑張ったんだから、それで良かった。「自分が一番、あんたが二番」なんか文句あるかって
⒊弟が残していった物
弟の部屋には、空になった通帳と、大量のコレクッションが綺麗に整理され、埃を被ったビジネス道具が使われなくなって何年も部屋の隅に置かれていた。
大量のコレクッションの多くは、本とゲームとエッチなDVD、もう見られる事もなく綺麗に整頓されていた。
(うん。やっぱり私が紹介しようとしてた職場のA先輩となら、お酒じゃない楽しみ方あったんじゃないかと思う😃)
A先輩=私の前職場の先輩、弟とよく似た性格
今日まで弟は、何が面白くて生きてたのかと思ってたけど、そんなの、私の勝手な思い込みで、好きな物に囲まれて結構、やりたい事していたんだね。
知らない所で、好奇心を人並みに持って、使えないビジネス商材に夢を抱いてた事もあったんだ!!
だけど、埃を被って部屋の隅に片付けられたビジネス商材と期限の切れたクレカを見ると
それは、まやかしだったんだよね。
それでも、頑張ったんだから、それで良かったんだよ。
弟にとって生きにくい世の中には、多くのキツネが羊を襲ってやろうと、あっちこっちで罠を張ってたね。
優しい貴方は、それでも、自分を傷つけても捨てられなかった(そんなもの、さっさと捨てたら良かったのに)
結局、最後はスッキリとして逝った弟に
どうか、向こうで、お父さん達とお酒組み合わせながら、自分の事、お父さんに言いたかった事、全部聞いてもらいなよ(笑)
故人 弟に捧げる