【介護保険サービスを利用するためには、まず「要介護認定」の申請が必要です】
申請の流れや必要書類については、皆さんもご存じの『みんなの介護』のサイト でわかりやすく書かれていますので、初めにそちらをご覧いただくと安心です。
要介護認定を申請したら、いよいよサービス利用開始への第一歩です。
その最初の関門が、自宅や施設で行われる「訪問調査」。
「え、自宅を訪問調査。やだ、何聞かれるの?私のお母さん、認知症でうまく答えられるかわからないし、何か調べる方法ないかしら?」
今回の記事では、 訪問調査の中で行われる 一次判定 を、事前にイメージできる「一次判定シュミレーション」を取り上げました。
*もちろん、ここで紹介する各社のシュミレーションは、、実際の認定結果を保証するものではありません。
ですが、事前に試してみることで、「当日、焦らずに対応できたり」、「不安が少し軽くなるのでは無いのか」と感じました。
そして、一次判定のシュミレーションにも、企業によって質問の雰囲気や項目数がどう違うのか。
そんな視点からも要支援2の母に協力してもらい、実際にいくつか試してみました。
最後まで、ゆるっと読み進めてもらい、ご自身やご家族の“未来の介護”を考えるヒントにしていただけたら嬉しいです。
\初回限定 定期サービスクーポン2000円OFF好評配布中/
この記事を書いた「トメ子さん」を紹介
はじめまして、私は、介護の専門家ではない ふつうの主婦(58歳)です。
私も、親の介護が始まるまで、全く介護のことをほとんど知りませんでした。
ですが、父や母、認知症の義母を支えていく中で、少しずつ見えてきたことがあります。

頼れるものを知っているだけで、介護する側も、される側もぐっとラクになる
これに気づいてから、介護の仕組みを学んだり、地域の認知症講座に参加したりと、自分でできる範囲の学びを続けています。
そして、何より大切にしているのは、親の暮らしも大事だけど、その前に自分の暮らしを一番に守ること。
これが、私の介護の基本スタンスです。
⇩こちらは、父と義母の介護の様子を記事にしたものです。
『要介護認定一次判定シュミレーション』を使ってみるメリット3つ

トメ子さんは、お母様の介護保険の申請をされて、訪問調査にも立ち会ったんですよね。

はい。母だけじゃなく、認知症の義母のときも、介護保険サービスを利用できるように、調査員さんに来てもらいました。

訪問調査って、どんなことをするんですか?

生活の様子を聞かれたり、歩く・立つといった動作を軽く確認されたり……そんな流れだったと思います。
少し間を置いて、トメ子さんが続けます。

でもその時は、何も知らなかったので……正直、玄関に来られるまでドキドキでした。

分かります。もし どんな質問があるのかが、わかっていたら、心の準備ができそうですよね。
この会話をきっかけに、「じゃあ、一次判定シュミレーションを事前に使うメリットって何だろう?」
という視点で整理してみることにしました。
仕組みがわかると、気持ちがちょっとラクになる
一次判定シュミレーションを使うと、『介護認定ではどんなことを聞かれるのか』 をあらかじめ知ることができます。
たとえば──

といった、実際の調査でも聞かれる内容に触れることができます。
これを事前に見ておくことで、介護の制度で見るポイントを知ることが出来て、実際の認定調査の時、気持ちに少し余裕が生まれるように感じました。
結果的に、当日のやりとりがスムーズになりやすく、訪問調査員の方も、ご家族さんの負担も少しだけ軽くなるかもしれません。
どれくらいの助けが必要で、どれくらいお金がかかるのか
一次判定シュミレーションを使うと、「このくらいの介護度になりそう」というざっくりした目安 を知ることができます。
*もちろん、実際の認定結果を決めるものではなく、あくまで参考です。
でも、この ざっくりした目安 が意外と役に立つんです。
なぜなら、介護度によって利用できるサービスの量 や自己負担の大まかな金額 が変わってくるからです。

つまり──
「介護サービスって、どれくらいお金がかかるんだろう?」
「週に何回くらい使えるのかな?」
といった不安に、ぼんやりした見通しが生まれる わけですね。
この、おおよその見通しがあるだけで、今後の介護の進め方や、家族で話し合うときの参考にもなります。
「何も分からないまま、始まる不安」が、すこしだけ小さくなるだけですが、やってみる価値はあるんじゃないのかと感じました。
訪問調査のとき、困らないようにできる小さな工夫
一次判定シュミレーションの質問内容は、実際の認定調査で聞かれることに近いものが多く
そのため、事前に答えてみるだけで、「あ、調査ではこんいうところを見るんだな」 という大まかな流れがつかめます。
SNSなどでは、『普段はできないのに、調査員の前では不思議と頑張ってしまう』
というエピソードを目にすることがありますよね。
もちろん、判定は総合的に行われますが、家族としては いつもの様子をうまく伝えたいものです。
そんなとき、事前にシュミレーションを試しておくと、日常で気づいていた小さな変化
- 普段はできるけれど、疲れると難しいこと
- 時々、時間や場所がわからなくなること
- 家族がどんな手助けをしているか など

こうした 、「微妙で伝えにくいこと 」が、自然と整理しやすくなります。
現在、一次判定そのものはコンピューターによる判定ですが、それとは別に特記事項といって、家族が伝えたい状況をまとめておける欄があるので
当日までに、伝えたいポイントをまとめたりと、メモを用意しておくことは、とても役に立つ
と感じました。
要介護認定シュミレーション『サイト一覧』4社比較
| サイト名 | 提供元/概要 | シミュレーションの種類 | 主な特徴・機能 |
| 上越歯科医師会 | 歯科医師会(在宅医療連携室) | 一次判定シミュレーション | ・平成21年度版の判定基準に基づく。 平成21年改定後の一次判定ロジックを用いています。 ・「基本動作」「生活機能」「認知機能」など、実際の認定調査の項目に忠実 |
| トリケアトプス | 介護ソフト提供会社 | 一次判定シミュレーション | ・認定調査票(基本調査・留意事項)の作成・印刷が可能です。 保存機能は、トリケアトプス本体ソフト利用時に案内されています。 |
| オアシス介護 | 介護関連情報サイト | 簡易判定シミュレーター | ・要介護度の簡易判定が可能。 ・身体機能、起居動作などの項目を選択する形式で手軽に試せる。 |
| イチロウ訪問介護サービス | オーダーメイド介護サービス | 一次判定シミュレーター | ・基本的な動作や認知機能など、調査項目の詳細な選択肢がある。 ・特記事項の記入欄もある。 |

こうして見ると、サイトごとに、けっこう色が違いますね。

そうなんです。表だけだと分かりにくいので、実際に母と一緒に試してみたんですよ。

要支援2のお母様ですよね。結果、どうでした?

次の章で詳しくお話ししますね。
要支援2の母親で「一次判定シュミレーター」を実施、結果は……
要支援2の母に協力してもらい、5社が提供している「要介護認定 一次判定シュミレーション」を実際に試してみました。
それぞれのサイトを見比べてみると、質問の細かさや使いやすさに少しずつ違いがありました。
ここでは、各サイトを使ってみて感じた印象と、母の現状をもとに入力した際にどんな結果が出たのか──
その体験を、簡単にまとめていきます。
トリケアトプス【要介護認定一次判定シュミレーション】
判定に掛かった時間:13分
判定結果は、要支援1

使ってみた感想は、わりと使いやすいと思いました。
細かな、気になることを質問項目ごとに特記事項に記入する箇所があることが、良かったです

オアシス介護要介護認定シュミレーター
判定に掛かった時間:11分
判定結果は、自立(非該当)

使ってみた感想は、体の拘縮の有る無しを部位ごとに聞いてくれました。
母は膝にボルトが入ってるので、膝の拘縮は有りに該当します。
他、医療行為の質問は、専門用語がわかりづらかったです。区分支給金額が、介護度の判定と同時に出るのは、良いなー。と思いました。

上越歯科医師会の【平成21年度版要介護認定一次判定シュミレーション】
判定に掛かった時間は:7分
判定結果は、要支援1

使ってみた感想は、紙一枚で精度に疑問は残りますが、一次情報としては、少ない時間でも使えるのかもと思いました。
注意して欲しいのは、情報が平成21年度なので今の基準とは異なる場合が有るかもしれない。ということが気になりました。

イチロウ要介護認定一次判定シュミレーター
判定に掛かった時間は:7分
判定結果は、要支援1
使った感想は、使いやすいと思いました。なぜ、そう思ったのかというと、下にロールして行くだけで、全ての項目に応える事ができる。

いい位置に特記事項が置いてある。点が評価できると思いました。
判定結果も、判定に必要な情報が整理されて表示されていて、色別に項目が分けられていてみやすいです。

最後に
要介護認定一次判定シュミレーションの判定結果は、母が現在利用している介護度よりも、少し軽めの判定になりました。
要支援2で利用している福祉用具や、デイサービスのリハビリの効果もあり、調査時より状態が良く見えたのかもしれませんね(笑)
とはいえ、介護度が軽く出ることで「今のサービスが使えなくなるかも…」と不安になる気持ちもありました。
高齢の方は、ほんのちょっとした体調の変化で、良くなったり悪くなったりしますから、家族としては慎重に見守りたいところです。

トメ子さん、このサイトを見に来た方に、紹介したい記事があるんですよね?

はい。読者の方に、申請してから結果が届くまでのあいだ、介護保険外サービスという選択肢も知っておいてほしいと思いました。

経験から、申請までの30日間を、家族だけで乗り切るには負担が大きいこともあるんです。
以前書いた「介護保険外サービス イチロウ」の記事では、40〜50代の家族介護を少しラクにするための工夫 をまとめています。
困ったときに頼れる選択肢を知っているだけで、気持ちがぐっと軽くなるかもしれません。
ここまで、読んでいただきありがとうございました。


