認知症の義母と暮らし始めたとき、最初に電話したのは地域包括支援センターでした。
まとまらない私の話から「緊急性が高い」と判断してもらい、今、義母は適切な施設で落ち着いた暮らしを送れています。

あのとき助けてもらった立場として、感謝しかありません
最近、私は、実母の介護を続けながら家族目線で介護従事者に向けた発信もやっています。
今回は、私が感じてる家族(相談者)と職員さんの間にある認識のズレを、要介護認定一次判定シミュレーションでなんとかできないかと思い、調べてみました。
【この記事でわかること】
- 今、公開してる一次判定シミュレーション3つ紹介(2026/7時点)
- トリケアトプスのアプリに要介護4の母の状態を入力して分かったこと
- シミュレーションに入力する際、家族が戸惑いやすい項目
介護家族ならではの目線がわかる内容になっています。
今使える要介護認定シミュレーションを3つ紹介
ご存じのとおり、要介護認定の「一次判定」は、認定調査員による訪問調査(74項目)の結果を、コンピュータで判定して出されます。
その74項目を、ご家族が自分で答えてみることで、一次判定の目安を事前に確かめられる無料ツール『要介護認定一次判定シミュレーション』が、いくつか公開されています。
このツールを使えば、ある程度の介護度の目安がわかって便利だと思いましたが
実際、必要としている家族さんは『要介護認定』という言葉すら知らない。
私は、こういうツールを地域包括支援センターの職員さんやケアマネ、病院の相談員の方に知ってもらい、ご家族との会話に使ったらいいのに。

そう、考えています
【要介護認定一次判定シミュレーション】かんたん比較表
| シミュレーター | 運営元 | 費用 | 対応 | ご家族の使いやすさ | ひとこと |
|---|---|---|---|---|---|
| トリケアトプス | 岡谷システム(株) | 無料・登録不要 | スマホアプリ+パソコン | ◎ ヒント表示・保存できる | いちばん手軽。iPhoneでもAndroidでもOK |
| 認定じゅんのすけ | 介護保険情報BANK | 無料・登録不要 | 主にパソコン | 〇 本格的(項目が多い) | 保存・読込ができる。じっくり型 |
| 平成21年度版 | 上越歯科医師会 | 無料 | 主にパソコン | △ 専門用語が多め | 歯科医師会運営で信頼。基準はやや古め |
安全性について:①通信が暗号化(https)②ログイン・会員登録なしで使える ③氏名や生年月日などの個人情報を入力しないことを確認しました。
一次判定シミュレーションは、どれも無料で使えます。
要介護4の母でトリケアトプスの「要介護認定 一次判定」を検証
トリケアトプスが公開している「要介護認定 一次判定」アプリ(以下、トリケアトプスのアプリ)は、スマホで簡単に入手できます。
だけど、手軽に入手できるからこそ、どんな会社が作っているのかが気になりました。
一次判定アプリを作った会社紹介
トリケアトプスを作っているのは、岡谷システム株式会社(名古屋・1979年設立)。
介護・医療・福祉の現場向けに、記録から請求までを支える業務ソフトを提供している、40年以上の歴史がある会社です。
個人情報の管理体制が認められた「プライバシーマーク」認証事業者でもあり、この一次判定アプリは、その会社が無料で公開しているものです。

介護のプロ向けにソフトを作っている会社なんですね

そうなの。
だからセキュリティの部分もしっかりしてるのよ
『トリケアトプスのアプリ』はスマホでもパソコンでも
| 端末 | 使い方 |
|---|---|
| iPhone / iPad | App Storeでアプリ(無料) |
| Android スマホ | Google Playでアプリ(無料) |
| パソコン(Mac / Windows) | ブラウザ版(インストール不要) |
外ではスマホ、家では落ち着いてパソコン、と使い分けられて、入力したデータが引き継がれるのも便利でした。
83歳の母でアプリを体験したら
私は、以前、要介護認定一次判定シミュレーションを試したことがあります。
その時の母は要支援2で判定結果も要支援でした。
《【お盆の帰省】親と一緒に要介護一次判定シミュレーションを使って…》
今の母は要介護4
改めて、トリケアトプス『要介護認定一次判定アプリ』に母の状態を入力しました。

どうでした?

去年、ブラウザーで入力した内容が、スマホのアプリにも反映されていたのはビックリしました
今回も

今の母の状態を、家族の目線で「感じたまま」に入力し直しました
結果は『要介護4』
今の母の介護認定結果と同じでした。

それは、目安として相談者に試してもらう価値がありそうですね

私にはわからないけど、地域包括支援センターの方や相談員の方たちが使えるなら良かったです
相談者に『要介護認定一次判定シミュレーション』を紹介するとき
このアプリは介護ソフトの会社が、事業者向けに作っているので、気をつけたい点もあります。
「麻痺」「拘縮」「上肢・下肢」など、普段使わない言葉が並びます。家族だけだと手が止まる項目も正直あります。(→次章で、言葉の意味を説明します)
「主治医意見書」は本来お医者さんが書くもの。家族は空欄でOKです。
「会員ログイン」「料金について」が目に入り「お金がかかるの?」と身構えるかも。でもシミュレーション自体は無料・登録不要です。
その場で目安を出すのは無料で十分。ただ、保存データの取り出しや細かい管理にはログイン(アカウント)が必要で、ここから先は事業者向け有料ソフトの領域になります。

相談者は、介護のことがわからない状態で来られてるんですから、そこは注意しないといけなかったわ

気づいてくれて、ありがとう
私は、このアプリを使って、職員さんと家族さんが会話がしやすくなったら良いのになって思います。
家族には難しい専門用語がある
トリケアトプスのアプリで「わかりにくい」と感じた質問を6個選び、意味を調べました。 (意味の根拠:厚生労働省「認定調査員テキスト2009(改訂版)」)
言葉が分かりにくい項目
- 麻痺(まひ):手足に力が入らず、思うように動かせない状態。「上肢=腕」「下肢=脚」で、片側だけのこともよくあります。
- 拘縮(こうしゅく):関節が固まって、曲げ伸ばしがしにくい状態。動かそうとしても固いのが特徴です。
- 座位保持・移乗・えん下:「座位保持=支えなしで座れるか」「移乗=車いすへ乗り移れるか」「えん下=飲み込みでむせないか」。
- 作話(さくわ):本人の中では本当のこととして、事実と違う話をすること。うそとは違います(「財布を盗られた」など)。
- 日常生活自立度:「寝たきりの程度」や「認知症の見守りの度合い」のランク。家族が無理に決めなくて大丈夫(分からなければ空欄でOK。専門職が判断します)。
- 特別な医療:この2週間に病院や訪問看護で受けた医療処置を選ぶ欄(点滴・経管栄養・ストーマ=人工肛門 など)。何も無ければチェックなしでOK。

初めて、上の項目を見たときは戸惑ったわ
相談者(家族)は介護用語を知らない
要介護1だった父を在宅で介護していたとき、その最期は急にやってきました。
【実録】地獄の痛みを抱えながら父親の介護を支えた3週間
その時、担当のケアマネさんが、専門用語の多い病院でのやり取りも、伝え方も教えてくれたけど…
介護が始まった時に知らない言葉に戸惑う人は、少なくないと思います。

私たちが普通に使ってる言葉は、相談者(家族)は聞きなれない事もあるってことよね

相談者(家族)としては、わかる言葉で接してほしいかな
専門家が思う介護状態と相談者(家族)が思う介護状態では、認識のズレがある。
今の母は、食事してても手が止まって進まないことがあります。
実は、そういう日常の食事・排泄・清潔に家族の手が取られることは、介護認定では重要項目に当たるんだと担当ケアマネに教えてもらいました。
ですが、家族は、毎日のことなので気が付かない事も多いと思います。
【要介護認定シミュレーション】支援の第一歩に共通のものさし
今、日本は超高齢社会です。
日本人の平均寿命は、男性で約81歳、女性で約87歳
一方、介護などを必要とせず自立して過ごせる「健康寿命」は、男性72.57歳、女性75.45歳(令和4年)です。
(出典:厚生労働省 令和6年簡易生命表・健康寿命/高齢者住宅ジャーナル で紹介)
ここまでのまとめ
窓口には、親の変化についていけず、何をどうすればいいか分からないご家族が、たくさん来られるのではないでしょうか。
ですが、当の相談者(家族)は、介護制度について、あまり知らない。

「私の感覚では、全く知らないのでは」って思うのです
だからこそ、私は、家族と職員さんが同じ状況を見られる「共通のものさし」があると、認識のズレが少し埋まって、支援がスムーズになるのではと考えました。
この記事で伝えてきたのは
- 今、以下の3つの事業所が出してる『要介護認定一次判定シミュレーション』が利用可能です(2026年/7月現在)
トリケアトプス/認定じゅんのすけ/上越歯科医師会 - 要介護認定一次判定シミュレーションは、無料で簡単に試せる
- トリケアトプスのスマホアプリ『要介護認定 一次判定』は、手軽に使える
- 試しに、要介護4の母の状態を入力してみると「要介護4」でした
- 私たちと相談者(家族)の間の認識のズレ
- 相談者(家族)は全てが初めてで介護制度のことを知らないのではないか

それなら、要介護認定シミュレーションは、相談者(家族)と私たちが共通の認識で動けるためのツールとして使えるかも

それは、現場の判断に任せます
作者の一言
今は超高齢社会で介護を必要としてる人が増えています。
相談者も増えてるのではないでしょうか?
だけど、相談者の話は、要点がまとまってない。
今回、要介護認定一次判定シミュレーションの記事が読まれてることがわかりました。
まとまらない私の話から「緊急性が高い」と判断してくれた地域包括支援センターの方や担当のケアマネさん
介護従事者の方たちの業務が、少しでも楽になり、介護に悩む方々に適切な支援が届きますように
ここまで、読んでいただきありがとうございました。
この記事も、併せて読んでほしい
今注目されてる介護保険外サービス「イチロウ介護」の体験談
《【訪問介護イチロウを利用した】1ヶ月リアル料金公開》
介護タクシーを利用者目線で書いた記事は
《介護タクシーの仕組みと家族同乗を叶える『保険外』の賢い使い方》

