地域包括支援センターは、介護が始まった時や、始まるかもと思った時に、最初に訪れたい場所です。
トメ子さんは、お義母様を引き取ることになった時、真っ先に連絡を入れました。
その時の経験から、
「地域包括支援センターに相談するときは、今の状況を少し整理してからの方が、話が進みやすいですよ」っと話してくれました。
そうはいっても、「具体的に何すれば良いの?」
と感じる方も多いのではないでしょうか。

気持ちが追いつかない中で、すべてを整理するのは難しいものです。
それでも、次の3つを意識しておくだけで、話の糸口が見えやすくなりますよ。
- いつ頃までに、どんな状態を目指したいか(ゴール)
- 今、何に1番困っている事か(最優先事項)
- 家族や周囲の人が、どのくらい関わっているか(登場人物)
私自身も、

介護は、早い段階で地域包括支援センターなどの公的な窓口につながるのが良いのではと考えています
その一方で、SNSなどでは、地域包括支援センターに対して「サービスが手薄だ」「話を聞いてもらえなかった」といった声を、目にすることがあります。
もちろん、すべてのケースがそうだとは限りませんが。
どうして、行政と個人の間にズレがあるのか、今までの介護保険法の歴史についても少し調べてみました。
*地域包括センターの役割や利用対象者など、制度について詳しく知りたい方は、公的情報をもとにまとめられている【みんなの介護:頼りになる地域包括センター】を参考にしてください。
【作者紹介】
三段腹トメ子
「介護は突然やってくる」という言葉は、認知症の義母の介護で実感しました。
その時の、認知症介護の記録は【介護記録|突然、始まった認知症の義母との暮らし】で紹介しています。
その経験をきっかけに、現在はシルバーサポーターとして、認知症のご本人やご家族を支えるボランティア活動にも関わっています。
気になる箇所だけでも、ご覧ください。
スマホで検索:地域の包括支援センター

そういえばこの前、知り合いの方に 『地域包括支援センターの電話番号』を調べてあげたんですよね。

高齢のご夫婦で、スマホをお持ちではなかったので、私が代わりに調べてみたんです。

それは、良いことをされましたね。
少し照れながら、その時の様子を語ってくれました。
総務省の【令和5年通信利用動向調査】によると、日本では、スマートフォンを所有している人の割合は9割を超えています。

先日、公園でゲートボールをしていた時のことです。
一緒にプレーしていた方が、奥様のことを
「うちの奴が、毎日、財布をどこに置いたのかわからなくなってね。
その度に探し歩かないといけない」
「さっき言ったことも、すぐ忘れてしまうから、同じ話を何度も繰り返すことになってしまって……」
その方も、来年90歳。
夫婦2人暮らしで、将来のことを考えると、不安になると話してくれました。
私は、その場で
「お住まいの地域の包括支援センターを、スマホで一緒に調べてみましょうか」
と声をかけ、検索した電話番号を、メモにしてお渡ししました。
少し、ほっとした顔で、ニコリとされたので、私も嬉しくなりました。
スマホ使って「自分の地域の包括センター」を調べてみよう
Androidの場合
手が離せないときや、操作に慣れていない場合は(Gemini)に聞く(音声操作)のが

個人的には、これがいちばん簡単だと感じました。
- ホーム画面上にある検索窓の中の虫眼鏡をタップするとAIモードに
- Gemini(ジェミニ)に「近くの地域包括支援センターを教えて」と言う。
- 候補が表示されるので、気になる場所をタップして詳細を確認します。
iPhoneの場合
- 「マップ」アプリで検索する(一番早い方法)
- Safari(ブラウザ)で自治体名を指定して検索
- 厚生労働省や「介護事業所・生活関連情報検索」を使う
補足:厚生労働省が運営している「介護事業所・生活関連情報検索」は、全国の情報を網羅的に調べたい場合に便利です。
こちらの介護サービス情報公表システム(厚生労働省)から「地域包括支援センター」を選択し、お住まいの地域をクリックすると、詳細な所在地や連絡先が出てきます。
1997年が転換点|日本の介護はどう変わった?
介護の制度ができた背景を知っておくと、「自分にできること」が、少し見えやすくなるかもしれません。
厚生労働省の介護保険法(平成09年12月17日法律第123号)を参照

まず、今と昔では、国の介護に対する考え方がだいぶ変わってきていることはご存じでしたか?

確か、1997年に介護保険法が誕生したんでしたっけ

はい。
1997年をきっかけに、介護は『お世話』中心から『自立支援』を重視する考え方へ、少しずつ変わっていきました
具体的にどのように変わったのか、3つの大きな柱でご紹介します。
「尊厳」と「自立した生活」が最優先に
かつての介護は、心身が不自由な方へ「お世話をする」という意味合いが強かったそうです。
ですが、新しい法律では「尊厳の保持」が掲げられました。
単に手助けをするだけでなく、その人が持っている能力を活かし、「自立した日常生活」を送れるように支援することが最大の目的となったのです。
行政が決めるのではなく「自分で選ぶ」
以前は行政がサービス内容を決めていましたが、現在は「利用者の選択」が重視されています。
自分自身の状況や環境に合わせて、多様な事業者や施設の中から、納得のいくサービスを自由に選べる仕組みに変わったのです。

選べる自由が増えた反面、『正解を自分で探さなければならない』という心細さを感じる人も、少なくない気がします。
「介護予防」と「在宅重視」
「悪くなってから助ける」のではなく、「状態が悪化しないように予防する」という考え方が取り入れられました。
また、住み慣れた地域や「自宅(居宅)」で、自分らしく暮らし続けられるような配慮も法律に明記されています。

私なりに整理すると、国ははっきりと、こう言っているように感じました。
「老後の安心や介護サービスは、制度として用意する。
ただし、それをどう使うか、どう暮らすかは、一人ひとりが選び、考えていく時代になった」
きれいな言葉で包まれていますが
現実を見れば、
私たちはもう
“誰かにすべてを任せる側”ではいられない
そういう社会に入ったのだと思います。

ここまでの話を聞いて、どう思われましたか?

私は、この話を聞いて『致し方ない』と思いました。
トメ子「だって、周りを見渡すと高齢者ばかりになってる気がするんですもの」
統計局からの引用※総務省統計局の人口推計をもとにしています。
1950年にはわずか4.9%だった高齢者割合が、2025年には約3割にまで拡大しており、日本は世界に先駆けて極めて高い水準の高齢社会を迎えています
編集者「今までの事から、世の中で起きてる介護の問題は、「昔の常識」と「今の制度」のギャップが原因で起きてる様な気がします」
包括支援センターに相談に行く前|3つの状況を把握してから
ここからは、本題です。
では、地域包括支援センターを最大限に活用するためには、個人的に何を把握しておけばいいのか、トメ子さんの体験から推察していきます。
「私が義母を自宅に迎えたとき、認知症の症状はすでにかなり進んでいて、主人も息子たちも、どうしていいか分からずオロオロするばかりでした。」
そう語るトメ子さんは、嫁という第三者の立場だったからこそ、早い段階で地域包括支援センターに連絡を入れました。

どういう風に伝えたのか?一緒に見ていきましょう

いつ頃までに、どんな状態を目指したいか
正直、いずれは”施設に”と考えています。
できたら、費用の負担が少ない特別養護老人ホームを希望していますが、空きがないと聞きます。
今から、どんな準備をしておけばいいでしょうか。
- 伝えるべきこと
・将来的なゴールを伝える
・決められないことも、正直に伝える。(ゴールが決めれないのは、あなただけではありません)
・ゴールの代わりに「避けたいこと」を伝える。例えば……「家族が限界になる前に、誰かに相談したい」とか - なぜ重要か
地域包括支援センターは、何を目指していて、どこで立ち止まっていて、何を避けたいのかその「方向」を共有できてはじめて、今できる支援を整理できるからです。
今、一番何に困っているのか(最優先)
義母は夕方になると、他の家のインターホンを鳴らし歩きます。
それに、認知症の繰り返す「帰る」という言葉に、キレてる主人が心配です。
- 伝えるべきこと
・今、本人に起きている困りごと(具体的な行動)例:徘徊、近隣への影響、繰り返し行動など
・主に関わっている家族の状態(心身の限界)例:強いストレス、怒りが抑えられない、体調不良 など - なぜ重要か
これらは、地域包括支援センターが「緊急性」を判断するための、もっとも重要な材料になるからです。
特に
- 本人の安全が脅かされている状況
- 主介護者の心身が限界に近づいている状況
この2つが具体的に伝わると、支援の優先順位が一気に上がりやすくなります。
家族や周囲の人が、どのくらい関わっているか
これまでは、主人の姉が二人、千葉で義母のことを見てくれていました。
ですが、さまざまな事情からそれが難しくなり、義母は我が家に来ることになりました。
義母が来るまで、主人と私は二人暮らし。
近くに息子は二人いますが、正直なところ、日常的な介護は難しく、今は私が義母と一日を自宅で過ごしています。
- 伝えるべきこと
・これまで、誰がどのように関わってきたか
例:これまで義母のことは、千葉に住む姉たちが支えていた(どんな暮らしだったか、分かる範囲で)
・自分の生活が、どう変わったか
例:それまで夫婦二人で暮らしていたところに、介護が必要な家族との同居が、突然始まったこと
・家族はいるが、実際には頼れない理由
例:息子は近くにいるが、仕事や生活の事情、性格的な部分もあり日常的な介護を任せられる状況ではないこと - なぜ重要か
これまでの経緯や関わってる人物を伝えることは、地域包括支援センターに「状況の地図」を渡すことです。
地図があるからこそ、支援の優先順位も進め方も、現実に合った形に組み立てやすくなると思うのです。

今、介護が必要な人を支える側の負担が、以前より大きくなっていることを、実感している方も多いのではないでしょうか。
地域包括センターも、介護の相談の入り口ではありますが、魔法の杖ではありません。
職員の数も限りがあります、予算も決められています。
それでも、限られた中で、少しでも寄り添おうと努力してくれていると、私は感じています。
だからこそ、私たち利用者側も、地域包括支援センターの方が動きやすいように、相談前に状況を整理しておくことが大切だと思いました。
まとめ
地域包括支援センターをうまく活用するためには、私たち一人ひとりが、今の介護制度を知っておくことが大切だと感じました。
介護は、ひとりで抱えるものではなく、チームで向き合うものだと思います。
すべてを任せきりにするのではなく、こちら側も、できる準備を少し整えて、相手に時間を取らせない工夫は必要だと思いました。

電話の向こうでは、今日も何人もの『助けて』に応えているのかも
そんなふうに、ほんの少し想像してみるだけで、やり取りはちょっとやさしくなる気がします。
今の状態をメモでいいので、出来るだけ正直に具体的に書いておく。
それだけでも、行政の仕組みは動きやすくなり、私達を助けてくれるんではないのか。
そう思っています。
とはいえ、介護の日々は、目の前のことで精一杯ですよね。
だからこそ、せめてこの3つだけは――
- いつ頃までに、どんな状態を目指したいか
→ 将来的な方向性や、今はまだ決めきれていないことも含めて - 今、一番何に困っているのか(最優先)
→ 本人の安全や、家族の限界に関わることから - 家族や周囲の人が、どのくらい関わっているか
→ これまで誰が支えてきて、今どこが限界なのか
これだけでも書き出すことで、頭の中が少し整理され、次に進む糸口が見えるのではないのかと筆を取りました。
この文章が、少しでもあなたのお役に立てれば幸いです。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
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誰に相談していいか分からない、すぐに制度で解決できない時間。
そんなとき、介護保険外サービスの存在を知っておくだけでも、選択肢は増えると思います。
もちろん、すべての人に合うわけではありません。
ですが、公的支援につながるまでの間を一時的に支える手段としては、活用する価値があるのではないでしょうか。
興味のある方は、下記から情報だけでもご覧ください。

