この記事では、トイレまで行くのが難しくなった親の排泄を安全に行うために購入したポータブルトイレについて私の体験談をお話しします。
正直、部屋にトイレを置くことに抵抗感がありました。
ですが、今年になって排泄介助が必要になった母のことを考えると、ポータブルトイレを部屋に設置するしかなかったです。
《【体験談】要支援2の母が立てなくなって介護の負担が重くなった1ヶ月》
実際、ポータブルトイレを部屋のどこに置くか悩みましたが、洗いの作業の効率化を考えて設置した場所は『禁断のベッドの頭側』
なぜ、『禁断』かというと、ケアマネや介護の専門家の方々に「普通ポータブルトイレは、ベッドの足元に置くもの」だと言われました。
ですが、我が家の部屋の間取りを考えたら、今の場所が適切だったと導入から3ヶ月使ってみて確信しました。
何が正解か。
私は介護に正解はないと思っています。
この記事が、読者の方に、一番最適解を見つけるためのお手伝いができたら幸いです。

我が家の住んでいる環境は、こちら
我が家は昭和に建てられた3LDKの分譲マンションです。
玄関から、廊下があって左に洗面所(水回り)、右に子供部屋(母の部屋)進んで、リビング
多少違いはあるかもしれませんが、普通の一般家庭の間取りではないでしょうか。
ポータブルトイレを部屋に置くことへの抵抗感
母が急激に要介護4まで悪化したのは、本当に突然のことでした。
一人暮らしだった母を引き取ることになったものの、受け入れる準備は何もできていません。
それまで物置代わりに使っていた5.5畳の洋室を、急遽、母の部屋にすることになりました。
車椅子が届くまでの数日間「一人でこなした綱渡りの介助」

車椅子が届くまでの数日間は、私一人でトイレ介助をしていました。
リビングから壁に張り付くように母を支えて移動し、洗面所の10センチの段差を越えさせ、トイレのドアノブを使って引っ張り込み、排泄を待って、拭き取り、同じ工程で戻る。
この綱渡りのような介助を、急変対応の道具も体制も整わないまま、一人でこなしていました。
*この数日間をどう乗り越えたかは、別の記事〈【訪問介護イチロウを使った】1ヶ月のリアル料金公開〉で詳しくお話ししています。
ポータブルトイレへの抵抗感は「ひとつ」ではなかった
正直なところ、ポータブルトイレの導入を考えた時、すぐには気持ちが追いつきませんでした。
抵抗感の中身は、ひとつではなかったように思います。

一言で言うと、不安しかありませんでした
これは私自身が、一人で抱え込まなくてはいけない決断でした。
それは、母が「嫌だ」というわけではなく、私の中にあった戸惑いです。
ポータブルトイレの導入まで
母の入院が決まっていたことが、結果的に準備期間になりました。
入院していた1ヶ月は、私にとって体制を整えるための時間として、ちょうど良い長さだったと思います。

入院中に進めた「要介護認定と部屋の模様替え」
入院前に出していた要介護認定の申請の結果も、退院前に「要介護4」という判定が出ました。
これによって、どれくらいの介護サービスが使えるのかがはっきり分かり、準備の見通しが立てやすくなりました。
*要介護認定の申請やシミュレーションについては〈親の要介護認定|先にシミュレーションして不安を解消する方法〉で詳しくまとめています
この1ヶ月の間に、部屋も大きく模様替えをしました。
大きなタンスは撤去し、普通のベッドから介護用ベッドに切り替えました。
*介護用ベッドのレンタルについては〈【体験談】要支援2でも介護ベッドは借りられた|母の福祉用具レンタルの記録〉で詳しくお話ししています。
ポータブルトイレ導入の決め手は
ポータブルトイレの導入は
それまで使っていたシルバーカーでは間に合わず、頼んでいた車椅子を持ってきてもらった時。

ケアマネさんと福祉用具の担当者の目の前で母がバランスを崩して倒れてしまって
幸いケガはありませんでしたが、ケアマネさんと福祉用具の担当の方から、ポータブルトイレを勧められ導入を決めました。
その時、福祉用具の担当の方が

まずは事務所にお試しの物があるので、明日にでも持ってきます
と言ってくれて、結局2ヶ月くらい、無料で試させてもらうことができました。
ポータブルトイレは、基本買取です
他の事業所だったり他社さんが、同じような配慮をしてくれるのかわからないので、「お試しの貸出しはないですか」とダメもとで聞いてみるのも良いかもしれませんね。
ちなみに、私が利用している株式会社トーカイでは、関西地区での「お試しサービス」は確認取れましたが、他の地域での対応については確認が取れていません。
(また、お試しなので決められた種類のもので「事務所にあれば」なので、まずは担当者に聞いてください)
ポータブルトイレの置き場所から洗浄までの流れ
推奨されているポータブルトイレの設置場所は、ベッドの足元です。
ですが、私は万人に推奨されていても置かれてる環境が変われば、やり方を変えても良いと考えています。
一番大切にしたいのは、その後の介護のしやすさだと私は思うのです。
私の家では、ポータブルトイレをベッドの頭側に置きました。

介護を受ける人(母)の状態と部屋の環境
母は少しの間なら立った状態をキープできますが、歩くことはできません。
5.5畳の部屋にベッド・ポータブルトイレ・車椅子を並べて置くと、どうしてもスペースに余裕がなくなります。
ポータブルトイレを使うたびに

毎回、車椅子をどかしてスペースを作り、終わったらまた車椅子を持ってくる
この一連の動きが必要になるのですが、ベッドの足元にポータブルトイレを置くと、立たせて紙パンツを引き上げる着替えの介助をするスペースそのものが取れませんでした。
何度かレイアウトを考えた末、ベッドの頭側に置くことで、介助のためのスペースを確保することにしました。

「普通は足元に」が正解とは限らない、というのが私の実感です
部屋の広さや家具の配置、そして介護を受ける人の状態によって、ベストな位置は変わってきます。
ポータブルトイレのバケツを持って部屋からトイレまで30秒

母の部屋の扉を開けると、すぐに洗面所、その横にトイレがあります。
ポータブルトイレは、その扉を開けた手前に置いています。

この動線のおかげで、後始末まで大きな移動なしに済ませられています
排泄が終わったら、まずバケツのフタを閉めます。
バケツは深さがあり取っ手も付いているので、運ぶときにこぼれる心配はほとんどありません。

汚れが目立たない「小」の時は、トイレにそのまま流し、洗面所でバケツに1Lほどの水をはって戻します。
「大」の時は、トイレ用の洗浄液をかけてブラシでこすり、トイレの中も同じようにこすって、1〜2回ゆすぎます。これで匂いはほとんど残りません。
特別な道具を揃えているわけではなく、家にあるトイレ用の洗浄液とブラシで十分対応できているのも、続けやすさにつながっていると思います。
ポータブルトイレを設置してから3ヶ月経って今
導入した頃の戸惑いを思えば、今ではすっかり日常の作業になりました。
ただ、慣れてきたからこそ見えてきたこともあります。
在宅介護「ついうっかり」があったとしても軽い気持ちで
トイレ介助の際は、その場ですぐにフタを閉めるようにしています。
それでも、その後に食事の準備をしたり、日々の家事に追われたりしていると、うっかりそのままにしてしまうことがあります。
フタを開けた時に

「あ〜あ」となることも
ですが、うっかりしてしまったこと自体を、自分で責めないようにしています。
それに、「大」の処理だけ手を抜かずにやっておけば、匂いの問題は大きくならずに済みます。
3ヶ月続けてきて分かったのは、完璧にやり続けることよりも、肝心なところだけ押さえてあとは自分を追い込まないことの方が、続けていく上で大事だと感じています。
ゆる〜と(笑)
排泄介助もあっけらかんの母だから

3ヶ月の間に感じた変化は、作業の手際だけではありません。
母が排泄の介助そのものを、あっけらかんと受け入れてくれていることに、私自身が助けられている部分が大きいと感じています。
排泄の介助は、本人にとって決して簡単に受け入れられるものではないはずです。
それでも母が

仕方ないでしょ
というくらいの軽さで構えてくれているおかげで、私も必要以上に身構えずに介助できています。
もちろん、同じようには受け止められない方もいると思いますし、それで悩んでいる方を否定するつもりはありません。
ただ、私にとっては母の受け止め方が、介護を続けていく上での大きな支えになっているのは確かです。
ポータブルトイレの種類を一部紹介
ある日、母の通院帰りに乗った介護タクシーのラジオから、ポータブルトイレの広告が流れてきました。
それを聞いて、「世の中には、用途に合わせたポータブルトイレが他にもいろいろあるんだな」と気づきました。
今使っている「たため~る」を選んだ理由
私が使っているのは、ウチヱの「たため~る」というプラスチック製のポータブルトイレです。
折りたためて自立する、丸洗いできる、座面の高さを調整できるといった特徴があります。
ベッドの頭側という限られたスペースに置くことを考えると、軽くて動かしやすく、汚れてもすぐ丸洗いできるシンプルなタイプが、わが家には合っていました。
ポータブルトイレは介護保険のレンタル対象ではなく、買取になりますが、購入費に介護保険が使えます。
我が家の場合は1割負担だったので、定価の1割で購入できました(定価63,300円→6,330円)。
ただし自己負担割合は所得や状況によって1〜3割と異なりますので、実際の金額はケアマネジャーや事業所に確認してみてください。

ラジオから流れてきた『ラップポン』他
広告で見かけたのが、「ラップポン」という自動ラップ式のポータブルトイレでした。
自動ラップユニットを搭載して排泄物を袋の中に密封するタイプ(中略)処理が完了すると椅子部分の下から排泄物が密封された袋が落ちるので拾って処分します。 (出典:ラップポン公式サイト「ポータブルトイレについて解説」)
仕組みが機械式な分、本体は重めで、価格も樹脂製のシンプルなものより高くなる傾向があるようです。
もう一つ気になったのは、木製の家具調タイプです。
椅子のよう=一般的な家具のように見えることから「家具調ポータブルトイレ」とも呼ばれます。(中略)木製のメリットは前述の居室の雰囲気を損ねにくい点に加えて、重量があるので安定感がある点です。 (出典:同上)
使わないときはフタを閉めると椅子のように見え、居室の雰囲気を損ねにくいのが特徴とのことです。
重量があるので安定感がある一方、木の部分は水洗いができないため、汚れたらすぐに拭き取るケアが必要になるそうです。
介護用品だけじゃないポータブルトイレの使い道
私は、介護用にポータブルトイレを使っていますが、他にもいろんな用途で購入されてる方がいることに気づきました。
また、災害時には、とても役にたつアイテムになるんですね。
今は介護用に買ったポータブルトイレが必要じゃなくなった時『たため~る』のように場所を取らないタイプなら、処分せずに部屋の片隅にしまって、災害時の備えにもなりますね。

最後に一言
私の場合は、ベッドの頭側に置いた「たため~る」を、トイレ用の洗浄液とブラシで丸洗いする、というシンプルなやり方に落ち着きました。
ですが、これが正解というわけではありません。

介護に「これが正解」と言えるものは、そもそもないと思っています
この記事で本当にお伝えしたかったのは、置き場所や型番そのものよりも「何を一番大事にして選ぶか」という考え方の部分です。
私が一番重視したのは、洗浄や後片付けの手間を、無理なく続けられる形にすることでした。
特別な道具を揃えなくても、家にあるものでさっと洗える。
多少のうっかりがあっても、自分を責めずに済む。そのくらいの「ゆるさ」が残っているやり方でないと、3ヶ月、半年と続けていくのは難しいと感じたからです。
置き場所を重視する方もいれば、本人の気持ちを最優先にする方もいると思います。
どこに重点を置くかは、家庭の数だけあって良いはずです。
私の場合は、洗浄と手間の対処しやすさを軸に選んだ結果、今のバケツの洗い方、今の置き場所に落ち着きました。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
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